ABOUT

【演劇プレビュー】南河内万歳一座『さよならオレンジ版〜百物語』- 阪急オレンジルーム閉館

南河内万歳一座 OTHER ENTMT
(C) 南河内万歳一座

いわゆる〝百物語〟は、誰もが夏の合宿やキャンプなどで一度は体験したことがあるかもしれない……。
いやいや、イマドキ〝百物語〟を知っている人は少ないかも。

ちなみに、ウィキペディアによると。

「百物語(ひゃくものがたり)は、日本の伝統的な怪談会のスタイルのひとつである。怪談を100話語り終えると、本物の物の怪が現れるとされる。起源は不明だが、主君に近侍して話し相手を務めた中世の御伽衆に由来するとも、武家の肝試しに始まったとも言われている」

つまりは、ひとつひとつ幽霊や妖怪などの恐い話を参加者で順番に語っていき、百回目の物語を語り終えたとき、何か恐ろしいことが起こるというのが〝百物語〟です。

百物語〜さよならオレンジ版 のはじまり(ネタバレなし)

舞台となるのは、小学校の夏季合宿。
語られるのは怖い話だけでなく、参加者のエピソードもあり。
各自の話が終わるたびに1本1本ロウソクの火を消していったところからはじまります。

主人公となるのは、その百番目の語り手。
そして、順番がやってきたとき、彼はこう語った。

「僕には人に語れるような物語がありません」と……。

イキナリの大波乱。
果たして、どんな結末になるのか。

南河内万歳一座『さよならオレンジ版〜百物語』

南河内万歳一座『百物語』再演版 – 劇団公式サイトのスクリーンショット

さよならオレンジ版とは、閉館する阪急オレンジルームへのレクイエム

内藤裕敬氏率いる史上最強・南河内万歳一座が、今回見せてくれるのは、1990年に上演した『百物語』のリメイク版。タイトル通り、今月いっぱいでその幕を閉じる阪急オレンジルーム(阪急ファイブ8F)にお別れを告げる舞台となります。

なにしろ、この阪急オレンジルームは、関西における小劇場演劇ブームを本当に支えてきた唯一の劇場、それゆえオマージュ的作品でもあります。

関西演劇界の拠点だった、阪急オレンジルーム

最近では、扇町ミュージアムスクエアが関西の小劇場の登竜門的ホールとして知られていますが、10数年前は阪急オレンジルームがその役割を果たし、そもそも阪急オレンジルームしかなかった。

つまりは、南河内万歳一座をはじめ、いのうえひでのりさん主宰、古田新太さんらが所属する劇団☆新感線など現在活躍中の多くの関西劇団が阪急オレンジルームを拠点に活動し、大きく育っていったというわけなんです。

この歴史を知らない方々には、自分も含め、この作品の持つ本当の意味を理解するのは意外とむずかしいのかもしれません。

ちなみに、阪急オレンジルームがオープンしたのは、1978年。
その後、訪れた関西演劇界ブームの1980〜1990年代を背負ってきた劇場となります。

南河内万歳一座は、阪急オレンジルームにて過去11年間で本公演を13回上演。まさに当劇場は古巣のようなもの。

「最初の頃からオレンジでやってきたわけだから寂しいよね、どうしようもできないんだけど。だからといって、オレンジがなくなったからといってオレンジから出てきた芝居がなくなるってことはない。僕らはオレンジルームっていう六畳一間から次のアパートに引っ越すというだけ。もちろんいままで住み慣れたところだから、やっぱり懐かしいけど」とは、南河内万歳一座・座長である内藤裕敬さんの言葉。

だからこそ今回〝引っ越し〟がテーマである「百物語」を最後に上演するという。

もし、恐い話を百話語り終えて何か恐ろしいことが起こるというのなら、今舞台にて生活や人生や恋愛の話を百ほど語り終えたとき、その劇空間では一体何が起こるのだろうか……。

きっとこの舞台では、阪急オレンジルームで生まれた百の物語の次の未来が描かれるに違いない。

【関連リンク】

南河内万歳一座公式サイト
http://banzai-ichiza.com

劇団による公演紹介
https://onl.la/pwRiU24

HEP HALL公式サイト
https://hephall.jp

HEP FIVE公式サイト
https://www.hepfive.jp/

阪急オレンジルームについて・2022年1月17日追記

阪急オレンジルームは、のちに「HEP HALL」という名称にて、1998年11月28日に再スタートします。

建物そのものも「阪急ファイブ」(梅田阪急会館)」から「HEP FIVE」への改名。
ウィキペディアによると、その歴史は以下の通り。

1979年7月1日、HEPの前身「阪急ファイブ(梅田阪急会館)」の時代にオレンジルームの名称で開場した。
開場間もない頃にはオール阪神・巨人、島田紳助・松本竜介などの、のちの漫才ブームを担う漫才師たちや、新人時代のダウンタウンがライブを開催していたほか、上方落語の若手による定期落語会「おれんじ寄席」の会場となっていた。
やがて、劇団そとばこまち、劇団☆新感線、惑星ピスタチオなどの学生演劇の劇団が定期公演会場として利用したことで、関西学生演劇ブームの中心地となる。
1998年に阪急ファイブおよび周辺施設の建て替えが行われ、「HEP HALL」と改称して同年11月28日にリニューアルオープンした。

開館当時、漫才や落語のライブがあったことは知りませんでした。

そのなか、手元には、ダウンタウンさんといのうえひでのりさん(劇団☆新感線主宰)のコンボライブのチラシが残っており、また機会を見つけてご紹介できたらと思います。

※当時、某バイト情報誌に掲載した原稿をリライトしたものになります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました