失われたインド映画の聖地「動物園前シネフェスタ4」
かつて大阪・新世界に存在した映画館「動物園前シネフェスタ4」。

全4スクリーンでした

動物園前シネフェスタ4の会員証で、1000円

動物園前シネフェスタ4の待合室
大阪地下鉄御堂筋線・動物園前駅に直結していた複合施設「フェスティバルゲート」の7階にあって、アクセスが抜群に良く、映画ファンにとって「動物園前シネフェスタ4」はとても便利な映画館という印象でした。
ついでに「フェスティバルゲート」で食べたり遊んだりもできたしね。
また、さまざまなイベント上映もあったと記憶していますが、
特筆すべきは、日本ではじめて「マサラシステム上映(通称:マサラ上映)」をやったこと。
ただ映画を見るだけでなく、
観客席で歓声をあげながら、みんなで歌い、ときに踊り。
クラッカーを鳴らして、紙吹雪を大量に投げたりと、大盛りあがり。
スクリーンのなかの登場人物と観客が一緒になって、劇場も一体化。
個人的には、観客全員でサングラスをかけて、
主人公がサングラスをかっこよく外すときに、みんなでサングラスを外すというというヤツがバカバカしかったなぁと覚えています。
最近では「応援上映」というイベント上映もありますが、
さらに何倍もド派手な〝お祭り〟のようなイメージ。
映画鑑賞のええじゃないか!みたいな。
ゆえに「動物園前シネフェスタ4」は〝マサラ上映の聖地〟として、全国的にも知る人ぞ知る映画館へと。
とはいえ、映画好きが集まるだけで、いつもいつも混んでいるわけでもなく、
いつも観客は少なめで、逆に快適だったわけです(確か指定席ではなかったのでより気楽でした)。
写真は2003年秋頃に、某映画サイトでインタビュー取材したときのものです。
映画館の運営方針や動向など、いろいろと伺いました。
いま現在もたまに「マサラ上映」情報をたまに目をしますが、
のちに関係者さんにお話を伺うと、紙吹雪などの掃除がびっくりするくらい大変とのこと。
上映用の映画タイトルの確保なども含めると、
なかなかできない実現は難しく、特別な映画体験だったといえます。
そのなか「フェスティバルゲート」の破綻とともに閉館。
閉館前、すでにアトラクションや店舗の多くが閉鎖され、「動物園前シネフェスタ4」といくつかのショップ(ディスカウント店が印象的)しか残っていないなか、寂れていく「フェスティバルゲート」の姿は印象的でした。
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ディズニーランドを抜いた!都市型エンターテインメント施設
肝心の大型複合遊園地「フェスティバルゲート」についても覚書。
最も覚えているのは「ディズニーランドの動員数を越えた!」という地下鉄の車内吊り。
無料で遊べる都市型テーマパークとして、はじめは年間830万人以上が来場していたようです。
1997年7月18日オープン。
新世界の通天閣まですぐの〝大阪の危険なディープゾーン〟に突如現れた近未来都市。
というと言い過ぎですが、巨大なスパイラル形の建物のなかを走り回る屋内ジェットコースターの大迫力は忘れられません。
フェスティバルゲートのコンセプトは、ショッピング・食事・娯楽が一体となった空間。
施設内には飲食店やファッションショップが並び、休日には家族連れや若者たちで賑わいました。
大阪の新しい観光名所になるんじゃないかと誰もが考えていたはずです。
すぐとなりには「天王寺動物園」もあるし。
ところが、さまざまな事情から、
2004年には経営破綻が発表され、オープンからわずか7年で「フェスティバルゲート」はその役目を終えることとなりました。
結構ドタバタしながら、施設継続の施策もあれこれあったなぁと記憶しています。
跡地利用もものすごいドタバタともめていた記憶があります。
ちなみにいま現在、その跡地には「マルハン新世界店・MEGAドン・キホーテ新世界店」が鎮座しています。
■関連エントリー
【1999年6月頃】神戸の三宮にあった映画館
https://eigabar.com/movie/kobemovietheater/

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