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【2005年】ガンダムブーム再熱はロボットの夢を見るか – 雑誌特集で感じた、ポスト愛・地球博時代の「ガンダム」と「ロボット」の未来

ガンダム特集の雑誌 MAGAZINE-BOOK

2005年秋、愛・地球博(愛知万博)閉幕後、某ロボットカルチャーWebマガジン(休刊)に投稿していた原稿を発掘、リライトしてみました。

2005年、機動戦士ガンダムが再び盛り上がっていたのはご存じか?

いま、機動戦士ガンダムが熱い!

ここ数年「ガンダム」が再注目されていることをご存じだろうか。

もちろん最新シリーズ『機動戦士ガンダム SEED DESTINY』が好調なのもあるし、安彦良和氏による再検証コミック『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』の根強い人気の高さもある。

おまけに〝ファーストガンダム〟と呼ばれる第1作『機動戦士ガンダム(1979年4月7日〜1980年1月26日放送)』から、25周年というアニバーサリーイヤーキャンペーン真っ最中。

しかも、劇場版『機動戦士Zガンダム-星を継ぐ者』が2005年春公開され、この大盛り上がりは、同第3作目が公開される2006年春まで続くハズ。

だけど、今年のガンダム再ブームはいつもとちょっと違う感じ。

なんか「愛・地球博」とも妙にリンクしていたのである。

※愛・地球博(愛知万博)は、世界初のロボット万博ともいわれ、さまざまなロボットの展示だけでなく、実用的なロボットも活躍した。

愛・地球博とコラボしたような、さまざまな雑誌で怒濤の「ガンダム」「ロボット」特集記事連発モード突入

注目したいのは、劇場版『機動戦士Zガンダム-星を継ぐ者』公開とほぼ同時期、愛知県にて「愛・地球博(愛知万博)」が、2005年3月25日に開幕したこと。

ほぼ同じタイミングで『週刊SPA!』にて「ガンダム・マニアの[ヒエラルキー闘争]の今」なる特集が組まれたと思ったら……。

mixiで話題になった、ガンダムオタクとキャリアウーマンの恋愛本『59番目のプロポーズ(アルテイシア・著)』が発売され……、なんと!グラビア誌『FLASH EXCITING(5/28発売)』でも「機動戦士Zガンダム懐かしのモビルスーツ&登場人物名鑑」なる特集が掲載された。

なんということか!
グラビア専門誌でも特集されるとは!

あれれ、オレたちオタクたちのガンダムがメジャーになってる?

ついに〝アート〟になっちゃったガンダム

なんて動揺していると、今度はデザイン専門誌『Casa BRUTUS』にて「アート・デザイン・建築で見る、ガンダム」が特集されてしまった。

おまけに、サントリーミュージアム[天保山](現:大阪文化館・天保山)にて、ガンダムアート展『GUNDAM – 来たるべき未来のために – 』(2005年7月15日〜8月31日)まで、開催。

ガンダムアート展『GUNDAM - 来たるべき未来のために - 』ロゴ
ガンダムアート展『GUNDAM - 来たるべき未来のために - 』入り口

ガンダムが、オレたちオタクたちには理解できない、現代アートの世界にいってしまったー!

※後日『GUNDAM – 来たるべき未来のために – 』レビュー掲載いたします。

注目の「ガンダム」「ロボット」雑誌掲載はさらに続く

2005年、雑誌における「ガンダム」「ロボット」特集はまだまだ止まらない。

朝日新聞出版『AERA』では、ガンダム特集「オタクたちの戦争」、さらに『ART iT 2005夏秋号』が大特集「ガンダム行きます!」をそれぞれ掲載。

他にも2005年春〜夏は、パソコン誌や科学専門誌でのロボット記事掲載は当たり前として『SAPIO』『DIME』『マリ・クレール日本版』『コンバットマガジン』『日経ゼロワン』『BRUTUS』『岳人』『小説すばる』『現代』などでも、なんらかのロボット特集が組まれた。

そのなかで一番驚いたのが、今秋の科学専門誌『ポピュラーサイエンス日本版 2005年9月号』のロボット特集「ガンダムへの道」だろう。

科学専門誌『ポピュラーサイエンス日本版 2005年9月号』のロボット特集「ガンダムへの道」
科学専門誌『ポピュラーサイエンス日本版 2005年9月号』のロボット特集「ガンダムへの道」

科学専門誌にて、ロボットとガンダムの融合特集記事が打たれ、ポスト愛・地球博(ロボット元年)の幕切れにふさわしいものとなった。

いうまでもなく、新聞やテレビでも「愛・地球博(愛知万博)」のロボットは数多く紹介され、家庭用ロボットの新発売など、話題盛りだくさん。

一大ブームと呼んでもいいかもしんない。

2003年はアトムブーム、次は2112年にまたお会いしましょう!

そのなか、あまりに盛り上がっているので、浮き足立つロボット関係者が多そうですが……。

そこで思い出すのが、かつての『鉄腕アトム』ブームである。

アトムの誕生日は、2003年4月7日。
その前後にも、日本で〝ロボットブーム〟があった。

おなじみの『ASIMO』『AIBO』をキッカケに、ホビーロボットも数多く生まれ、あわせてロボット関連本も多く誕生し、そして、消えた。

それゆえ、2005年に盛り上がっている日本人も、また2003年のアトムのときのように〝冷めてしまう〟かもしれない。

いやいや、来年2006年にはガンダムアート展『GUNDAM – 来たるべき未来のために – 』が関東で開催されるという話もあるし、ハリウッドでは『鉄腕アトム』が制作中だ。

それに、そもそも日本人にはロボットDNAが根付いている。

いまアメリカの宇宙開発陣の多くが『スタートレック』の影響を受けたように、日本でも『ガンダム』の影響を受けた技術者がたくさんいて、そのうち歳をとり、これから世に出てくるだろう。

ちなみに、ドラえもんの誕生日は、2112年9月3日。

2112年には、こんな話をまたどこかのライターがしていると思う。

2023年2月8日追記

あらためての発掘記事ですが、ツカミの「ここ数年「ガンダム」が再注目されていることをご存じだろうか」については自分でも驚き。

当時、ロボットカルチャーWebマガジン編集部にアニメ好きはおらず、また「ガンタム」についての認知度も社会的に低かった。それゆえこのようなツカミになったわけです。

ここ数年は「Yahoo!ニュース」では当たり前の〝ガンダム〟ネタ。文藝春秋でさえガンダム本を出している時代になっているとは驚きで、時代の流れ、ガンダムのマーケティングの成果を実感するしかない。

また、リライト前に、あらためて「機動戦士ガンダム25周年」というGoogleキーワード検索しましたけど、いまやなにも検索にかからないということも衝撃的でした。

とはいえ、ガンダムDNAを持った技術者がホントに世に出てきましたね。

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